ディスクロージャーの専門用語集

IR(アイアール)

Investor Relations(インベスター・リレーションズ)の略で、企業が投資家に向けて、経営状況や財務状況、業績動向等に関する情報を発信する活動のことです。

IPO(アイピーオー)

株式公開のことであり、未上場会社の株式を証券市場(株式市場)に上場することをいいます。通常、上場時においては、新株を発行して資本市場から資金を調達する「公募増資」や、オーナー等の既存の株主が保有している株式を不特定多数の投資家に売却する「売出し」を伴うことからIPO(Initial Public Offering)とも呼ばれます。

インサイダー取引

世間にまだ公表されていない、会社の業績に大きく変動を与える重要な情報(重要事実)を公開前に入手し、その重要事実が公表される前に株式の売買を行うことです。
主に「投資者保護」、「金融商品市場への信頼確保」を目的として金融商品取引法で厳しく規制されており、違反した場合重い罰則が科せられます。

EDINET(エディネット)

金融庁が管理する、電子開示システムによる企業情報開示システムの総称。
金融商品取引法で定められた開示書類を提出するサイトと、提出された書類を閲覧するためのサイトがあります。

会社法

会社法とは、会社の様々な利害関係を調整し、法律関係を円滑に処理することを目的として制定された法律です。会社の設立・機関・計算等・資金調達・企業再編といった会社の構造・組織及び運営等について規定されています。

株式

株式会社の株主としての地位を構成する細分化された割合的単位を株式といいます。
株式は均一的に細分化されていることから、株式を有償で発行することにより、出資者は小額の資金で株式を取得し株主となることができ、株式会社は多数の出資者(株式の購入者)を募ることで、多額の安定した資金を調達することができるという利点があります。
この株式を表章した有価証券を株券といいますが、平成21年1月5日に、上場会社の株式は、株式等振替制度(株券の電子化)に移行したことにより、株券は廃止されています。

株主総会

株式の所有者たる株主によって構成される株式会社の意思決定機関です。
株式会社の基本的事項について意思決定する必要的機関ですが、常設の機関ではなく、事業年度ごとに招集される定時株主総会と、開催の必要があるときに招集される臨時株主総会があります。
株主総会は、会社法で規定する事項及び株式会社の組織、運営、管理その他会社に関する一切の事項について決議できますが、取締役会設置会社においては、会社法で規定する事項及び定款で定めた事項に限り株主総会で決議できることとされています。

株式会社の取締役は、毎事業年度中に少なくとも1度、事業年度の終了後一定の時期に株主総会(定時株主総会)を開催することが義務付けられています。

株主総会招集通知とは、株式会社の株主に対して、株主総会を開催する旨などの内容を記載した文書のことをいい、その記載事項については会社法で詳細に規定されています。
なお、この招集通知は、原則として株主総会開催日の2週間前までに、株主に対して送付する必要があります。

※すべての株主に対して送付されるわけではなく、株主総会において議決権を行使することができる株主に限られています。

株主通信

株主通信とは、ある一定期間の会社の事業状況等(事業活動の状況、会社の現況、財務及び業績状況等)を記載した報告書です。法律や規律で義務付けられた法定書類ではありませんが、IR活動の一環として定期的に会社の状況を株主に説明するために送付されています。
一般的には、事業年度末や第2四半期末、あるいは四半期ごとに作成され、「事業報告書」「中間事業報告書」「IR通信」といった標題が付されています。

株主名簿管理人

株式会社に代わって株主名簿の作成及び備え置きその他の株主名簿に関する事務を行う者をいいます。実際にはその他の株式事務も代行しており、信託銀行及び証券代行会社がこれにあたっています。株主名簿管理人に事務を委託するためには、定款に株主名簿管理人を置く旨を規定する必要があります。
なお、上場会社においては、各証券取引所の上場審査基準によって、株主名簿管理人の設置が求められています。

監査法人

他人の求めに応じて報酬を得て財務書類の監査または証明をすることを業とするために、5人以上の公認会計士が共同して設立した法人のことです。

金融商品取引法

資本市場の機能が十全に発揮され、金融商品等の公正な価格形成を図ることにより「国民経済の健全な発展」「投資者保護」を目的とした法律です。以前は証券取引法と呼ばれていましたが、平成18年に金融商品取引法と名称が変更されました。
有価証券報告書の提出などの開示の原則、金融商品取引業者や金融商品取引所等の業務、有価証券の取引等の規制などを定めた法律です。

決算

一定期間の収入・支出を計算し、利益又は損失(損益)を算出することをいいます。企業だけでなく国・地方公共団体においても決算を行うことが、法律で定められています。

決算短信

株式を上場している企業が決算発表を行う際に作成するものです。東京証券取引所の適時開示システムTDnetへの掲載や、マスメディアへの資料投函を通じて発表します。

校正
作成または、修正を行った書類に対し、原稿との不一致や、文字・体裁の誤りといった不備が無いことを検査する工程をいいます。
コンプライアンス
企業などが守るべき法令や規則のことです。直訳すると法令遵守となりますが、法律だけではなく、社会的倫理や規範を遵守することも含まれます。
債券

国や地方公共団体、企業などが、投資家からお金を借りるために発行する証書のことです。
債券には返済日(償還日という)が決められており、返済日に借りていた金額の全額と利息が投資家に支払われます。

財務局(金融庁)

財務局は、財務省の出先機関として地方において業務を行っています。
また、金融庁から委託を受けて、企業の財務内容などが記載された有価証券報告書等を受理・審査する業務、インサイダー取引等に対する課徴金調査なども行っています。

一般的には決算書といわれることが多く、財務諸表の中の貸借対照表、損益計算書、キャッシュ・フロー計算書を合わせて「財務三表」と呼ぶこともあります。貸借対照表は、事業年度の終わりにおいて、会社がどれだけの資産、負債等を持っているかを示し、損益計算書は、事業年度でどれだけの利益を獲得できたかを示し、キャッシュ・フロー計算書は、事業年度でどれだけ現金を獲得できたかを示しています。

財務内容
財務諸表

事業報告は、各事業年度の株式会社の状況に関する重要な事項をその内容とする書類であり、すべての株式会社に作成が義務付けられています。
記載事項については法定されており、たとえば、「当事業年度の事業活動の結果」、「事業内容」、「事業所」、「従業員」、「株式の状況」や「会社役員の状況」などの記載が求められています。そのため、株式会社は、これらの事項を記載した事業報告を事業年度毎に作成することになります。
なお、事業報告は株主に対して提供が求められていますが、一般的には株主総会招集通知の添付書類として送付されます。
また、事業報告の内容は、定時株主総会での報告事項とされています。

四半期報告書

金融商品取引法で規定されている四半期(3ヶ月)毎の開示資料になります。
以前は半期報告書、有価証券報告書と年2回の開示でしたが、上場会社においては、3ヶ月毎の四半期決算日から45日以内に提出が必要となりました。これは、経営環境の変化のスピードがはやまっていることから、投資家に適時に情報を届けることを目的としています。提出を早くする代わりに、開示される情報はある程度簡略化されています。

証券会社

有価証券の売買や売買の仲介などを行う会社。金融商品取引法により、法律上は「金融商品取引業者」に分類されます。現在、証券会社との商号を用いている会社については、継続的に使用することができるとの経過措置がとられています。

証券代行
株式の名義書き換え、配当金の支払、新株発行、株主総会の招集通知など、会社の事務を事業会社に代わって行う業務のことをいいます。
証券取引所
主に株式や債券の売買取引を行うための施設のこと(金融商品取引所)で、日本には「東京証券取引所」などがあります。
上場企業(上場会社)

証券取引所が定める厳しい審査基準を満たすことにより、証券取引所で売買を認められた株式を発行する企業のことです。
日本には現在約3,600社の上場企業があり、その数は日本国内における全株式会社の1%にも満たないです。

上場申請

株式を証券取引所に新規上場させるには、その株式の発行会社が証券取引所に上場申請を行います。証券取引所では、投資家保護の観点から、当該発行会社が、上場会社としての適格性を有しているかどうかについて、新規上場に関する諸規則に基づき審査を行います。
審査の結果、当該発行会社の上場適格性が確認されると上場が承認されます。上場申請時には、有価証券上場申請書のほか、新規上場申請のための有価証券報告書(Iの部)・(IIの部)、新規上場申請取締役会議事録、登記事項証明書、定款、監査概要書等の多くの書類の提出が求められています。

スマート招集
株主総会招集通知のポイントを抜粋して、スマートフォンなどWeb上で閲覧することに特化した、株式会社プロネクサスが提供するサービスです。
ディスクロージャー

主に投資家保護の観点から、企業の事業内容などを広く一般に公開することです。そのため、投資判断に役立つ十分な情報の開示が求められており、迅速・公平・正確の3原則を満たすことが必要とされます。

投資家
利益を得る目的で株式や債券・不動産・通貨・商品などに資金を投入する個人、あるいは法人のことです。
投資信託
投資家から集めた資金を、専門家(投資信託運用会社等)が株式や債券等に投資・運用することで、投資家にその利益を分配する商品のことです。
投資信託運用会社(投信会社)

投資信託商品を証券会社、銀行、郵便局などを通じて販売します。
多くの投資家へ販売することで得られた資金を運用する会社のことです。

東証株価指数

東京証券取引所市場第一部に上場している全銘柄(日本企業の普通株式)の時価総額の増減をもって、株式市場の動向を表す株価指数です。算出方法は、基準時を1968年1月4日とし、その日の時価総額を100として、その後の時価総額を指数化しています。「日経平均株価」とともに、日本の株式市場の動向を示す代表的な株価指数です。
一般に、TOPIX(Tokyo Stock Price Indexの略)ともいいます。

日経平均株価

日経平均株価(にっけいへいきんかぶか、The Nikkei,Nikkei 225)とは、株価水準を表す指標の一つで、東京証券取引所市場第一部上場の代表的な225銘柄を対象とした平均株価ですが、ダウ・ジョーンズ社が開発した修正方法を用いて算出されています。またの名を日経225とも呼ばれています。

年次報告書

事業報告

配当金

株式会社が、事業活動を行うことによって得られた利益の一部を株主に対して、金銭によって分配されるものを配当金といいます。
分配の方法は金銭に限られておらず、現物によるものでも可能ですが、実際には金銭で行う場合が圧倒的です。
会社法においては、配当の時期について規定はなく、株式会社は事業年度中いつでも配当を行うことが可能となっていますが、一般的には、事業年度末日後に行う「期末配当」と、事業年度の途中に行う「中間配当」の年2回の配当を行っている会社が多い状況です。
その他に四半期毎に配当を行っている会社も見受けられます。
なお、配当については、株主平等の原則に従って、株主が所有する株式数に応じて行われます。
また、会社法では、配当を行う際の財源規制を設けており(分配可能額)、株式会社は、この分配可能額の枠を超えて配当を行うことができません。

ベンチャーキャピタル

ベンチャー企業などの株式を売買し、株式を購入した時よりも多くの売却額を獲得することを目的とした投資会社のことです。

法定開示

金融商品取引法では、企業内容等に関する開示として、有価証券報告書、確認書、内部統制報告書、四半期報告書、半期報告書、臨時報告書などを継続して開示することが定められています。法定開示には、このような流通市場における開示だけではなく、有価証券を発行するときなどに行う発行市場における開示、公開買付けに関する開示なども含まれます。

目論見書

株式等有価証券の募集、売り出しの際に投資家に提供するもので、その有価証券の内容や発行会社の事業内容等投資判断の素になる情報を記載した文書のことです。

有価証券

広くは、財産に関する権利や義務を表す紙片のことを証券といいます。金融商品取引法上の有価証券は、金融商品取引法2条1項において有価証券に当たる「証券又は証書」が、同条2項において有価証券に当たる「権利」とは何かが具体的に定められています。具体的には、株券や国債・社債が代表的なものです。

有価証券の募集又は売出しにかかる届出のために内閣総理大臣に提出する書類です。原則として、(1)その募集又は売出しに関する事項、(2)その会社の商号、(3)その他公益又は投資者保護のために必要かつ適当な事項が記載されます。募集又は売出しに関する事項以外は、有価証券報告書と類似の記載事項が様式で定められています。

上場有価証券、上場有価証券に準ずる有価証券、開示が行われている有価証券の募集又は売出しなど、一定条件の有価証券の発行会社は、事業年度経過後3ヶ月以内に有価証券報告書を提出しなければならないとされています。内容は、決算数値を直接開示する財務情報のほか、事業の内容、役員の状況など多岐にわたります。

REIT(リート)
投資家から資金を集めて不動産を運用し、それによって得る賃料収入等を原資として投資家に分配する仕組みのことです。日本では頭にJAPANのJを付けてJ-REIT(ジェイリート)と呼ばれています。

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